解説文/デジタル:1

2000年代に入ると、世の中は急速にデジタル化の道を進み始める。 出版業界においても、作業の効率化を図るため、積極的にパソコンが導入されるようになった。作家にもデジタルへの 転換が推奨され、小林も2003年頃からはデジタルによる作品制作に転向している。 小林の制作法は、人物などの主線を場面ごとに手描きし、スキャニング、それをパソコン内で作成したコマ割りの中に スケール調整しながらはめ込んで行った後、ベタトーン、背景などの素材を利用しながら仕上げるというものである。 したがって、すべての作業をパソコン内で行なうタイプの作家と違って、主線には小林のタッチがはっきりと残っている。 また、カラーで仕上げられたイラストには一部、写真ベースの素材を使っている。デジタル画ならではに効果技法であろう。

 

《線香花火》より

《地上の星》より