2018年2月

『現代美術三人展』本日2月22日最終日です❗️(19:00まで)

お知らせ

 

2月1日から開催しましたが、あっと言う間に最終日です。

ご来館下さった皆様、三人の作家様・氏平源吾氏・山本雅也氏・久我くるみさんのパワーに感謝致します。

 

『現代美術三人展』も後半に入りました❗️

お知らせ

 

[展示作品よりご紹介]

上:氏平源吾「うねり1」

左:山本雅也「WORK」

右:久我くるみ「KWV-3」

『現代美術三人展』 作家インタビュー

お知らせ

坂本: 「ネオ・アート協会」発足当時のお話をお聞かせください。

 

氏平: 吉原治良氏が創られた「具体美術協会」に元永定正氏の誘いで、小野田實先生が入会した事が始まりでした。しかし、吉原氏が亡くなられ「具体美術協会」が解散となってしまいました。そこで小野田先生の「具体美術の活動を姫路で続けよう!」という声かけがあり、「ネオ・アート協会」という名称でスタートしたのです。

 

坂本: 「具体美術協会」の方々との交流はあったのでしょうか?

 

氏平: 元永定正・堀尾貞治・上前智祐・前川強・鷲見康夫・吉田稔・村上三郎・嶋本昭三氏らと知りあいになりました。彼ら独自の展示会場(グタイピナコテカ)が中ノ島にあり、何度か見に行きましたが、普通の作品とは違い大変衝撃を受けた事を覚えております。

 

山本: その当時、私たちにとって大きな存在でしたね。私は勤めておりましたので余暇のひとつとして、小野田先生の教室で具象やデッサンを主に教えて頂いておりました。先生に誘われて、「第1回ネオ・アート展」を見に行き具体美術の皆様の作品や熱意に触発され「ネオ・アート」に移行しました。

 

久我: 私は、相生にあった小野田先生の教室でデッサンを中心に教えていただいておりましたが、先生の「作品を創ってみないか?」という話から、知らず知らずの内に先生に導かれて今があると思います。小野田先生にお会いしていなかったら、このような制作活動はしていなかったと思います。

 

氏平: 「第1回ネオ・アート展」には、「具体美術協会」のメンバー10人ぐらいがオープニングパーティに参加していただきました。その後、「具体」のメンバーの皆さんが芦屋でパフォーマンスを行った際に、「ネオ・アート」も共同参加いたしました。誰もやっていない事をするという意気込みもありましたが、今考えると具体美術出身のメンバーは、全ての生活を作品に捧げていましたが、私たちはそこまで徹底できなかったと思います。

 

坂本: 「ネオ・アート協会」とは。どのようなお考えで活動されたのですか?

 

氏平: 「具体美術」と同じで、「その人独自の物を創る」「人まねをしない」というスタンスで活動をして来ました。また、アートの社会参加を考え、「アーティスト・ユニオン」の活動にも参画していきました。

 

坂本: 「ネオ・アート」とはどんな作品と言えば良いでしょうか?

 

氏平: 一言で言えば「抽象」の作品です。

 

山本: 当時の「ネオ・アート」の会員には女性が多く、紐・ロープ・布を使った作品が主流でした。

 

氏平: 私は、具象から抽象には、パッと移行出来なかったのですが、やっている内に抽象の良さが解って面白くなって来ましたね。材料は何を使ってもよく、他の人が使用していない素材を意識していました。今もそうなんですが・・・。現在は、小野田先生がお亡くなりになって、「ネオ・アート協会」も解散となり、活動しているのは私たち三人になってしまいました。

 

坂本: ご自分の作品についてお話し下さい。

 

山本: 小野田先生のご自宅で作業をしている時に、「ネオ・アートも世界へ進出したい」と言う先生の言葉が強く心に残っており、世界に通用する作品・平面で誰もやっていない表現が出来ないかをずっと考えています。当時は平面で線を生かす、色面構成の作品や着物のコラージュ・色板や針金を使用しての表現でした。初めは、複雑な構成が多かったのですが、だんだんシンプルな構成になって行き、今は「光」に興味があり、絵の具の持っている輝きを表現しています。

 

久我: 私の作品は、キャンバスを二重張りし、キャンバスに穴を明け、底にできる影の立体感で作品を構成しました。キャンバスを使う時代が長かったのですが、同時に作品を実際に立体化したいという気持ちがずっとありました。それが、最近の紙の作品です。光や影の美しさ、特に影の部分を見てもらいたいと・・・。これからは、素材を変えての創作も考えています。私は今、洋紙を使用しているのですが、洋紙は時間が経つと退色したり、朽ちたりして無くなっていく・・刹那的といいますか、そんな作品も良いと思っています。

 

氏平: 私は最初の頃は、押しピン・サイコロ・釘・糸など無機質なものを集めて作品を創っていたのですが・・取るに足らない単品でも無数に集める事で何かを語り始めるのではないかと・・・。私の作品は、変遷があり種類も多いですが、最近は流れる線に興味があり、「積層シリーズ」を創作しています。色は昔から、パンチのある赤・黒・緑を基本に表現していますが、よく若い人の作品ではないかと思われています。以前は、素材を多く並べたりして魂を詰めて創作していましたが、今は単純化した作品で表現しています。

 

坂本: 「具体美術協会」「ネオ・アート協会」の活動は美術の在り方に対して、大きな役割をしたのではないかと思いますが、これからどの様な役割があるとお考えでしょうか?

 

山本: 私たち三人展の作品も他の「ネオ・アート」メンバーの作品も古さを感じさせず、今でも世界に通用するのではないでしょうか。この2〜3年の内に様々な所で、個展やグループ展を行い、作品が一人歩きして「ネオ・アート」を広げられればと思います。

 

坂本: 最近、「具体美術」が再認識されており、「ネオ・アート」の美しさも時代を越えて求められているのではないでしょうか。

 

山本: ヨーロッパの街並や地中海の白い壁やアメリカの路地に、「ネオ・アート」が在っても際立つし、和の世界でも十分存在感があり普遍的な物を持っていると思います。

 

氏平: でもまだ、姫路だけに留まっている感があるので京阪神から東京へと発信したいですね。

 

山本: 私は、一足飛びに世界へでも良いかと考えています。今は、SNSが発達しており世界への発信は難しくないと思います。また先日、氏平氏と東京で開催されていた小野田先生の展覧会へ行ったのですが、やはり洗練されたと申しますか、空気が違いますね。東京で展覧会を開催して、誰かに評価してもらう事もひとつの方法ではないかと思います。

 

坂本: 最後に、今回の「現代美術三人展」及び続いて開催されるそれぞれの個展のアピール等をお話し下さい。

 

氏平: たくさんのひとに見てもらいたい。

 

山本: 私たちの作品のファンになってもらい、「ネオ・アート」の仲間や賛同する人を増やせればと思っています。

 

久我: 小野田先生に見てもらえなくなって、作品を制作している時に “これで良いのか?これで良いのか?”と・・・。だから、作品をたくさん創る事で進むべき道が確信出来るのではないかと思っています。

 

氏平: 今回三人で展覧会を開催したのですが、「ネオ・アート」の仲間でこの三人が残ったのは、『愚直一筋』であったから・・・。まずは、私たち三人で「ネオ・アート」作品を発表し続けて行き、「ネオ・アート」の創作をしていた人達にも参加してもらえればと思っています。人生に大きな影響を与えてくださった、小野田先生の精神は脈々と流れており、小野田先生も夢だった「世界進出!!」も視野に。望まないと実現もしないので、チャンスをつかむため、活動を広げていきたいと思います。

 

坂本: 今日はありがとうございました。
2018年2月2日(金)14:00