2024年5月22日 お知らせ
🔹高田治展/39歳のおさむ🔹作品制作について
人形ではなく、人間を表現したい…
仮面ライダー、キカイダー、ドラゴンボールなどのフィギュアが幼い頃から好きで、その事が、現在の人体像の制作の根本にあるのかもしれない。
現在の制作における自分のフォーカスは、人の肉体、骨の構造、筋肉の動きにあり、人形ではなく、人間を表限したいと思っている。
そして自分が表現している人体像は、その像が男性であれ、女性であれ、全て自分自身だ。言うならば、それらは僕の中では“OSAMU MAN”であり“OSAMU WOMAN”である。
仏師である西村公泉先生に教えを受け、人間の筋肉が躍動するような彫像を目の当たりにし、自分の力不足を感じると同時に、強いインスピレーションを与えて頂いている。先生からのアドヴァイスは“骨を作れ”であり、それを念頭においてまず鉄のワイヤーで骨組みをつくり金属で溶接したり、あるいは粘土を使い、そこに肉をつけていく。
身体の中をエネルギーが動いていくイメージを持ち、その瞬間に現れる自分の感覚で肉付けの作業を行う。
その過程において、偶然性は否定するものではなく、必然だと受け止め、制作している。
自分の感覚へ信頼があるのだろう。
自分の作品には、腕や脚が欠落しているもの、又は胴の一部に空洞があったりするものが多々あるのだが、これはその時にそれらの部位が必要ではないと自分が感じた結果である。
多分、自分も何かが欠落していて、その欠落した人体を心地良く感じているのかもしれない。
だから、結果として制作すれば制作するほど、自分の欠落と対峙することになる。
そして、自分の欠落を知れば知るほど、理想とする形に程遠い自分を知り、あきらめの様な気持ちとともに、開き直った自由のようなものを手に入れられたような気がする。