片瀬有美子(陶磁)

私は、19世紀イギリスで生まれた陶芸の技法“mocha ware(モカウェア)”を応用した作品を作っています。
本来は土物の素地に化粧土を掛けた後にモカウェアを施すのですが、私はオリジナルとして素材を磁土に置き換えて制作しています。 成形方法は主に石膏型を使った鋳込み成形です。
石膏型に磁土の泥を流し入れ、肉厚がついた頃に排泥して、間髪を入れずにモカティーという液体で溶いた絵具を筆で落とし、泥に模様を這わせます。
泥が乾くと絵具が広がらない為、それまでの約1分間、精神を集中させて模様を施しています。
下絵具を3、4種類使うことで透光性のある磁土に水彩画のようなグラデーションが解けるようにして馴染みます。